結膜炎

アレルギー性結膜炎

ハウスダスト(家の中のほこりやダニ、フケなど)や花粉等のアレルゲン(アレルギーを引き起こす原因物質)が原因で起こる結膜炎です。症状としては、最初目やまぶたがかゆくなり、次に痛みが加わり、目がゴロゴロした感じになります。さらに悪化すると、ゼリー状の目やにが出てきたりしますので、かゆみを感じた段階で診療を受けることをお勧めします。

ウイルス性結膜炎

ウィルスが原因で起こる急性の結膜炎で、伝染性が非常に強いので感染予防が大切です。接触感染しますので、「手をきれいに洗う」・「眼をこすったりしない」・「タオルを別々にする」等の対策が重要です。症状としては、充血したり、目やにや涙が増えたりします。

菌性結膜炎

子供に多い。冬場に多い。黄色い粘性のある目やにが出ることが多いです。

ものもらい・めばちこ

まぶたの炎症です。しこりを伴う事があります。

網膜はく離

網膜(カメラのフィルムの役目を果たす)の内側の膜がなんらかの原因ではがれることがあります。これが網膜剥離です。

糖尿病性網膜症

糖尿病性網膜症は、日本人の中途失明原因で1位の病気です。糖尿病を発症して約10年で半分の人に発症し、20年で2割の人が増殖性網膜症になると言われています。糖尿病を発症してからの年数も網膜症の発症の要因になりますので、今の血糖値のコントロールが良いからといって安心はできません。
また、網膜症の進行が自分の目で確認できるところではなく、自覚症状のないままに、網膜症が進行し、ある日突然、視力が落ちてしまい、失明にまでいたってしまうケースもあります。
この病気も進行してしまうと、視力の回復が難しくなります。

*糖尿病性網膜症の進行を抑える

糖尿病性網膜症の進行を抑えるには、血糖値のコントロールと定期的な眼科の検査が重要です。内科の先生と連絡を取りながら、失明しないように眼底の状態を良い状態に保っていきます。
内科で、糖尿病と診断されれば、眼底に影響が出ていないかを調べることが必要です。そのためには眼底検査が必要になります。

*糖尿病性網膜症を早期に発見する

糖尿病性網膜症を早期に発見するには、やはり、定期的な眼底検査が必要です。とくに糖尿病性網膜症が進行してきていても自覚的には視力が良好なこともあります。見えにくくなってきたときには、すでに糖尿病性網膜症が相当進行していることもあります。
悪化してきている傾向があるときには、造影剤を使って血管からの造影剤の漏れや、血液が通っていない部分がないかを調べます。
その結果、漏れが大きかったり、悪い血管が多く認めたり、血液の通っていない部分が認めるときにはレーザーによる治療を行います。
この時期を過ぎて、視力が低下してしまうと、視力の回復は難しくなります。

緑内障

緑内障は白内障と並んで眼の病気の中で最も多いものです。
「眼の成人病」とも呼ばれ、40歳以上の30人に1人が緑内障であると報告されています。
緑内障では一般に眼圧(眼球内の圧力)の上昇に伴い、視神経が障害され、多くの場合本人が気付かないうちに、非常にゆっくりと視野(見える範囲)が狭くなっていきます。そのため発見が遅れるケースが非常に多く、緑内障患者の80%が病気に気付いていない潜在患者と言われています。一度障害を受けた視神経は再生する事がないため、緑内障は失明する危険を伴う大変怖い病気です。
日本人は眼圧が正常の範囲内であるにもかかわらず、発症する正常眼圧緑内障が70%を占めると言われています。

*緑内障の症状

緑内障は慢性の場合と急性の場合で症状が異なります。
慢性の場合は徐々に進行していくため、本人は気付かず、視野が狭くなってきたと感じた時には緑内障が進んでいます。そのため初期段階での視野検査、眼圧検査が欠かせません。
「何となく眼が重い、疲れる、不快感がある」と言った症状がある場合もあります。

急性の場合には眼圧が急激に上がるため、眼の充血や激しい頭痛、吐き気が突然起こります。眼科で早急に処置しなければ、障害を残すおそれもありますので、注意が必要です。

早期発見早期治療が重要ですが、慢性の場合の初期段階では自覚症状があまりないために、症状が進行してしまってから受診する方が多いようです。
それでは手遅れなので、強度近視の方、父母兄弟に緑内障の方がいる人、又健診やドックで緑内障と言われたら視野検査を必ず受けてください。

*緑内障の治療方法

緑内障の疑いのある方は早期に眼科を受診してください。
緑内障の治療の基本は眼圧を下げる事です。眼圧を下げる事により緑内障の進行をとめられる場合が多いからです。
眼圧を下げる為に通常、主に目薬を使います。最近は体への副作用が少ない眼圧下降効果の優れた目薬が多数開発されています。
目薬を点眼し忘れると眼圧が上昇し視神経が障害されることがあるので、必ず医師の処方指示に従い、規則正しく点眼してください。多くの方は点眼治療だけでその進行を最低限に食い止める事が出来ます。
目薬が効かない場合は、レーザー治療や手術が行われます。

*緑内障の検査方法

緑内障の検査は、眼圧検査、眼底検査、および、視野検査を定期的に実施します。
又緑内障の種類を確定する為に隅角検査を行います。
緑内障は家族内発生が見られることがあるため、ご家族、血縁者に緑内障の方がいらっしゃる場合には検査を受ける事をお勧めします。
緑内障によって一度失われた視野は回復しない為、早期の発見が非常に重要となります。
まず眼圧、更に眼圧が正常でも緑内障になる方は眼底を見ることで発見でき、また、どちらも簡単に調べられますので、特に40歳を過ぎた方には他の病気で来院された方にも検査をさせていただいています。

飛蚊症

「アメーバのようなものや小さな虫が見える」「糸くずのようなものがみえる」ことを飛蚊症といいます。
飛蚊症は年齢によるものと病気によるものの二種類があります。

*年齢による飛蚊症

生まれたての赤ちゃんの眼の中は、均一なゼリー状のものがぎっしりと詰まっています。これを硝子体と呼びます。硝子体は歳を重ねるにつれて、特に近視の人は早くから、だんだんと均一なゼリーがさらさらの液体になっていきます。この時点で液体の中に空洞ができるようになり、飛蚊症を生じます。その空洞が小さな虫や糸くずのように見えるのが飛蚊症です。
この変化は歳とともにおこり65歳以上では全体の65%まで、70〜80歳代では殆どの人に認められると言われています。近視の強い人や眼に疾患を持つ人は早くから症状が現れます。これは年齢に伴う変化ですので治療の必要はありません。
飛蚊症を感じるとうっとうしくなるし、不安にもなります。しかし、眼底検査で他の病気がないと診断された時には、年齢相当の変化と考えて、ゆったりと構えましょう。

*病気による飛蚊症

飛蚊症を感じた時には、眼のフィルムに当たる網膜に穴が開いた網膜裂孔(または網膜円孔)のことがあります。この網膜裂孔が原因で網膜が剥がれる網膜はく離という病気を生じていることもあります。網膜裂孔であればレーザー治療を外来で行うことが出来ます。網膜はく離では入院して治療が必要になります。
他にも出血やブドウ膜炎により飛蚊症をしょうじることがあります。
いずれの病気でも発見が遅れると、治療を行っても障害を残す事があるので、飛蚊症を感じたらいつでもすぐに眼科専門医による散瞳精密眼底検査を受けてください。

白内障

白内障の自覚症状

全体にぼやけて見える。
対向車のライトがまぶしすぎる。
明るい昼より夕方の方が見えやすい。
めがねを何度も買い替える。
手元が見やすくなって老眼がなくなる。

白内障とは眼の中の本来透明であるはずのレンズ(水晶体)がにごってきて視力が低下する病気です。白内障はしわや白髪が増えてくるのと同じように歳をとると避けられない病気です。体の老化の速さとは関係がなく、元気な人にも起こります。
そのため、60歳を過ぎる頃には多くの人が白内障であると言われています。
アトピー性皮膚炎、強度近視の方には早くからおきることもあります。

白内障は薬でも訓練でも治せません。
手術を受けることでよく見える目を取り戻せます。

*白内障手術

当院では入院を行わずに日帰りで行える白内障手術を実施しています。
超音波でにごった水晶体を砕き、吸い出して人工レンズを挿入します。
濁りの原因である水晶体を全て吸い出すので、再発する事はありません。
又、移植した眼内レンズは半永久的ににごらず使えますので、
殆どの人は一生に一回(両目なら二回)の手術です。
手術後30分ほど休憩していただいてからお帰りいただけます。

*手術前後の通院について

1 術前検査(血液検査・眼内レンズの度数を測定する)
2 説明会(手術の前の週の水曜日3時半から)
3 点眼説明(手術までの目薬の説明)
4 手術当日
5 手術翌日
6 手術翌々日

その後は少しずつ間隔が開いてゆきますが、医師の指示に従って受診をお願いいたします。

ドライアイ

目が疲れやすい。目に不快感があると言う方が増えています。
テレビ、パソコンなどに囲まれて目が酷使される現代では疲れ目など、目に日会館があると仕事だけではなく、日常生活においても大変不便です。

こういった疲れ目などの原因として最近注目されているのが目の乾き、ドライアイです。
ドライアイは眼精疲労の大きな一因となっています。
目が疲れやすいのは目を使いすぎたためだけではなく、ドライアイという病気の一症状かもしれません。
ドライアイは800万人以上もの患者様が悩まされていると推定されているにもかかわらず、病気としての認識が低い疾患です。是非一度医師にご相談ください。

*ドライアイの症状

ドライアイは涙液の減少あるいは質的な変化により目の表面に障害を生じる疾患です。
涙が足りないと涙の役割が低下するので、目は乾いて傷つきやすい状態となり、重症になると目の表面に無数の傷が付いている場合もあります。
その他、目の熱感、疲れ、まぶたの重い感じとして症状が出る人もいます。
軽い症状はやがておさまることがあります。しかし、症状が強かったり、いつまでも長引くようなら、目の表面が傷ついている事が考えられます。キズから最近が入り込んで目全体が感染したり、キズが深くなって視力が低下するおそれもあるので、眼科の受診をお勧めします。

斜視

通常物を見る時、両方の目が見たい方向に向いています。ところが、片方の目は見たい方向に向いているのに、もう片方の目は違う方向を向いている場合があります。これが「斜視」です。「斜視」は両目の向きが違うので、ご家族が気づくことも多いのですが、早めに治療しないと弱視等の原因にもなりますので、気づいたらなるべく早く診療を受けることをお勧めします。

弱視

視力の発達がほぼ終わる6歳までに、「絶えず物を見る」といったような目に正しい訓練が出来なかった場合、視力の発達が止まってしまいます。これが「弱視」です。弱視の治療は低年齢であるほうが効果が期待できるので、早めに診療を受けることをお勧めします。